映画「無限の住人」を鑑賞した

先日、車で行ってもゆっくりできる「MOVIX昭島」で「無限の住人」を鑑賞した。いろいろ言われている本作品。第70回カンヌ国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門に選出されていることにも否定的だったり、また主演を務めた木村拓哉さんについても「いつものキムタク」と揶揄されたりする一方で、木村拓哉さんファン以外の方からの「原作をうまくまとめている」「昔懐かしい時代劇」という高評価も聞かれた。

実際にどうなんだろうと気になってくると、確かめたいと思うのが性分。そこで締め切りの都合がつきそうな時間を見計らって、映画館へ出向いた。

その日はMOVIXデイということで、映画料金はいずれも1100円。夕方だったからか、映画館自体、そんなに混んでいなかった。「無限の住人」を鑑賞する人もそう多くはなく、15人程度だったと思う。前方には年配のご夫婦、斜め前は男性一人、私の列には40代ぐらいの女性が一人、そして私の後ろには10代後半か20代前半の女の子二人組と男女ペア、そして後列付近に木村さんファンとおぼしき40代~50代の女性のグループが複数、座っていた。

無限の住人は昭和の時代劇映画のようなモノクロシーンから始まる。そこで100人切りの殺陣が行われるのだが、モノクロなのでなぜか美しささえ感じた。タイトルが映し出されるとそこからカラーに切り替わった。

トーリーもそれなりに良くまとまっていたという。多少、もったいない使い方の人物もいたけれども、それはそれで仕方がないのかなとも思った。

木村さんもすごくよかったと思う。着流しも似合っていた。線が細すぎることもなく、様になっていた。お芝居が臭いということもない。むしろ、時代劇がすごく似合っていた。殺陣も迫力があった。

福士蒼汰さんは漫画の世界から抜け出てきたような、、線が細いというか、、なんだろう。すごく美しくて良いのだが、もう少し骨太な身体つきだとより迫力が出たかも知れないと思った。

とにかく殺陣(チャンバラ)シーンが長くて、人がスパスパと切られていく。人を切ると血や脂で刀が切れなくなってしまったり、骨に当たって刃こぼれしたりするが、映画なのでそんなことはない。手首や胴がスパッと切られるシーンもある。だからといってグロいかというと、そんなにグロくは感じなかった。もしかして首が飛ぶシーンもあるのかとも思ったが、そういうシーンはなかった。ハリウッド映画みたいに、全編を通して主人公たちはきっと死なないんだという安心感があった。

殺陣シーンが多く、話も比較的単純なので、海外の人の方が受けるのではという気がした。でも少し海外の方に理解が難しいのではと思ったのは、本来の敵と戦うためにその敵と共に幕府軍300人を切るというシーン。ヒロインの用心棒であるからという理由はあるが、、、ヒロイン自身が幕府軍に訴え出て、囲みの中から抜け出すことも出来るのではと思ったりもしたが、、「敵に塩を送る」ヒロインの選択肢が非常に日本人らしくて、時代劇の良い味わいを増幅さえてしていたようにも思う。

海外メディアの取材でもSMAPについて聞かれたそうだが、アイドルグループをまた再結成するとしたら、それはそれで歴史的快挙だと思う。しかしもう40代も半ばになりつつある彼らに何を求めるのか。若い子たちと同じ様なことはしたくないだろうし、SMAPとしてやりたい何かがあるのか。それがなければ難しいと思う。バンドが再結成するのとはまた違う難しさがありそうだ。

俳優として経験を積んでいくのであれば、解散はチャンスだったと思う。レギュラー番組もなくなり、そのスケジュールを気にすることなくオファーを受けられるので。SMAPというブランドを構成するのに必要だったSMAP木村拓哉というイメージも捨て去ることもできる。なんだかんだいっても、些細なことでもメディアで取り上げられるのは木村さんがジャニーズの顔だから。後に続く後輩アイドルのロールモデルになるよう、これからも活躍してほしい。

よくジャニーズで時代劇というと東山さんをイメージするが、木村さんもぜひ。大河ドラマの主役ではなくカギを握る人物とかで観てみたいものだ。