「髑髏城の七人 Season鳥」を観てきた

7月29日(土)、楽しみにしていた「髑髏城の七人 Season鳥」を観てきた。主人公捨之介を演じるのは阿部サダヲさん。そして天魔王を森山未來さん、無界屋蘭兵衛を早乙女太一さん、極楽太夫を松雪泰子さんが演じていた。もちろん、髑髏城の七人というぐらいだから、髑髏城に乗り込む人たちは7人いるわけだけど、いずれも劇団新幹線には欠かせない人たちが演じていて、見応えは十分だった。

私の目当ては第一に森山未來さん。森山未來さんはずっと以前から気になる俳優の一人だ。WATAR BOYSで観たときに気になったのだろうか。もういつからかは覚えてないが、とにかく身体能力が高いところ、そして声も非常に好みだ。

もう一つのお目当ては早乙女太一さん。実は髑髏城の七人「ワカドクロ」をゲキシネで観て、そのときも森山未來くんと早乙女太一さんにひかれたのだ。その二人が同じ役で出ると知り、早々に予約をして、観劇の日をワクワク待っていた。

あいにく観劇の日は、夜から雨で、ゆりかもめ「市場前」駅から劇場までの数分の徒歩にもかかわらず、サンダルの脚が濡れてしまった。午前中は天気がよかったので、雨が降ったとしても夕立ぐらいでおさまるのではというのは甘い予測でしかなかった。

とにかく森山未來さんの天魔王は威厳たっぷりで、でもちゃめっけがあったり、なかなか芝居も面白かった。「Exactly」の声の響きも素晴らしかった。また早乙女太一さんの芝居もかつてのときよりも妖艶になって、前半と後半のメリハリもあり、すごく大人で魅力的な蘭兵衛になっていたと思う。森山未來さんと早乙女太一さんの殺陣は本当に素晴らしかった。阿部サダヲさんは、どんな捨之介を演じるのかと思ったら、草の者(忍び影武者)だったという解釈だったのもキャラにあってよかった。また最初はうつけのふりをしているのも面白かった。

梶原善さんは、テレビでのお芝居もうまいなとは思っていたが、舞台映えのする役者さんなんだなと思った。また粟根まことさん、池田成志さんもすごくいい味を出していた。

舞台はIHIステージアラウンド東京。客席が回転するのもなかなか面白かった。私はサイド席だったので、少し見切れがあったが、それでも十分楽しめた。またぜひ、中央で観たい舞台だなと思った。

ただ、休憩するところが少ないのが少し残念。トイレはすごく並んでいたけど、休憩時間内にはおさまるぐらいの数は用意されていたようだ。

もう少し早く感動を書こうと思っていたのに、本業が忙しくてなかなか書けなかったのは残念。でもすごく良いお芝居だった。また観たいと思うお芝居だった。

 今回、森山未來さんが同じ役をオファーされたことについて、パンフレットでは「同じことをやるのかと迷った。再演の意味もわかっているが、長い公演でモチベーションを保てるのか自信が持てなかった」と書かれていました。そこで「歌わせてくれるならやります」と言ったところ、そういう脚本になったと。

再演について、私も飽きないのだろうかと思うところがあったので、このストレートな迷いを吐露されていたことで、「やっぱりそうなんだ」とも思った。

私はEndress SHOCKを2~3年おきに観に行ったりしているが、バージョンアップはしているとはいえ、毎年再演をしている。その数1500回。9月は大阪、10月は福岡で上演が決まっている。きっと来年もまた再演されるだろうということは予想されるが、堂本光一さんの再演へのモチベーションはどこからくるのだろう。自分が描くEndress SHOCK、もしくはコウイチという役がまだ完成していないということなのだろうか。そこが気になるところだ。同氏のインタビューでは「SHOCKはライフワーク」という言葉がよく聞かれる。Wikipediaによると「ライフワークとは天職のこと。人生を捧げたテーマ」。人生を捧げたテーマということは、SHOCKそのものが人生を捧げたテーマということだからこそ、モチベーションが続くのかな。

個人的にはEndress SHOCKは商業ベースに乗っており、本人のモチベーションに関係なく止め時を逸してしまっているような気もして、少し気の毒な気もする。